小守谷様のご経歴について
これまでのキャリアについてお話しください。
2015年に成蹊大学経済学部を卒業し、新卒で大手ゼネコンに入社しました。
入社後は横浜支店に配属され、約4年間、さまざまな建設現場で工事の収支やリスク管理を担当しました。
安全管理や労務管理など、建設現場の運営に関わる業務を幅広く経験してきました。
当時、現場では外国人労働者の方々とコミュニケーションを取る機会も増えており、「言語の壁によって、現場で本来伝えるべきことが十分に伝わらない」という状況を目の当たりにしてきたことは、現在の事業にもつながる原体験の一つになっています。
一方で、当時から「この課題を解決するために起業しよう」と考えていたわけではありません。
起業そのものについて考えるようになったきっかけは、もっとシンプルなものでした。
新卒で入った会社は非常に良い会社でしたが、20代半ば頃から「このまま働き続けていたら、死ぬときに後悔するのではないか」と何となく思うようになったんです。
それなら、一度リスクを取って、自分で何かに挑戦してみてもいいのではないか。
そう考え、2019年7月に共同創業という形で起業しました。
起業後は最初から現在の事業をやっていたわけではなく、AI議事録サービスの開発など、さまざまなことに挑戦してきました。
その後、これまでの経験や技術を活かしながら、現場の多言語コミュニケーションという課題に取り組むようになりました。
その経験が、現在の「QRトーク」につながっています。
2025年2月には、「言語の壁を取り払い、人々の時間を取り戻す」というミッションへの想いを明確にするため、社名・サービス名を「ワンミニッツ」に統一しました。
ゼネコン時代に実際に見てきた建設現場のリアルと、起業後に培ってきたAI・ソフトウェア開発の知見、その両方が、現在の事業の土台になっています。
事業内容について
ワンミニッツの事業内容についてお聞かせください。
私たちは、現場における多言語コミュニケーションの課題を解決するソリューションを開発しています。
現在の主力サービスが「QRトーク」です。
QRトークは、建設現場の掲示物や作業員のヘルメットなどに貼られたQRコードをスマートフォンで読み取るだけで、日本人スタッフと外国人スタッフが多言語でコミュニケーションできるサービスです。
専用のアプリをインストールしたり、新しい端末を用意したりする必要はありません。
「QRコードを読み込むだけ」という手軽さを大切にしており、現場にいる方が必要なときにすぐ使えるように設計しています。
また、単純にその場の会話を翻訳するだけではありません。
会話のログが残るため、「そのとき何を伝えたのか」「どのような指導を行ったのか」を後から確認することができます。
そのため、日常のコミュニケーションだけでなく、安全教育や事故予防、現場の管理体制の強化、さらには業務改善にも活用していただけます。
私たちはQRトークを単なる「翻訳アプリ」としてではなく、外国人労働者が増えていく現場における「多言語コミュニケーションインフラ」として捉えています。
現在は建設業に特化してサービスを展開しており、ある建設会社様には、全10拠点で導入いただいています。
また、ゼネコン、大手ディーラーなどにもご利用いただいているほか、行政では東京都、スポーツ領域ではラグビー日本代表での活用実績も生まれています。
まだまだ現場には、多言語に起因するさまざまな課題があります。
私たちはそうした課題を一つずつ見つけ、現場で本当に使われるソリューションとして形にしていきたいと考えています。
ワンミニッツならではの「強み」と「独自の魅力」
貴社ならではの強みや大切にしていることはありますか。
一番の強みは、QRトークを「翻訳アプリ」ではなく、「現場の事故を防ぐインフラ」として考えていることです。
個人が使う翻訳アプリや、専用端末が必要な翻訳機とは異なり、私たちは組織として現場に導入し、そこで生まれるコミュニケーションを蓄積して、管理や改善に活用できる仕組みを作っています。
例えば、現場で外国人スタッフに安全上の重要事項を説明したとします。
その場で「伝わったから終わり」ではなく、どのようなコミュニケーションが行われたのかをログとして残すことで、後から振り返ることができます。
また、QRコードを起点とした多言語会話のUI/UXについては特許を取得し、商標も登録しています。
「誰でも思いつきそうだけれど、実際には誰も形にしていなかった仕組み」を、独自の技術と知財として形にしていることは、私たちならではの強みだと思います。
そしてもう一つは、私自身が大手ゼネコンで実際に建設現場の運営に携わっていたことです。
現場でどんなことに困るのか、どのようなタイミングでコミュニケーションが必要になるのか。そういったことを肌感覚で理解した上でサービスを作ることができます。
机上で「こういう機能があったら便利だろう」と考えるのではなく、現場で本当に必要とされるものを作ることにこだわっています。
スタートアップなので、サービス開発や意思決定のスピードが速く、小回りが利くことは大きな強みだと思っています。
QRトークについても、着想からリリースまで1か月弱でした。
大企業であれば、企画、承認、開発、検証など、さまざまなプロセスが必要になると思いますが、私たちは少数精鋭だからこそ、必要だと思ったものをすぐに作って、現場に持っていくことができます。
もちろん、すべてが最初からうまくいくわけではありません。
お客様から「こういう機能が欲しい」「こういう場面では使いにくい」といったフィードバックをいただくこともあります。
その声を受けてすぐに改善し、また現場に持っていく。そのサイクルを速く回せることは、私たちの大きな強みだと思っています。

今後の展望と成長フェーズ
現在はどのような成長フェーズにあり、今後どのような展開を考えていますか。
今は建設業界に特化して成功モデルを確立する深掘りフェーズです。
まず建設現場という、事故リスクや人材確保難といった課題が慢性化している業界で圧倒的な導入実績を作り、そこで培った型を、同じように多言語コミュニケーションの課題を抱える製造業・行政・医療・交通といった領域へ広げていく、という順番で事業を進めていきます。
外国人労働者は今後も増え続けていく構造的な流れがあり、これは一過性のブームではなく、社会に必要とされ続けるインフラだと捉えています。
将来的には日本にとどまらず、同じく言語の分断を抱えるアジア全域への展開を見据えています。
今このタイミングで入っていただくと、建設業特化で積み上げてきたやり方を次のフェーズでどう広げていくか、その意思決定の中心に近い距離で関わっていただけると思います。
バックグラウンドと組織カルチャー
実際に働いているメンバーはどのような方々ですか。
現在は、私とCTOの二人を中心に事業を進めています。
開発を統括するCTOと、事業・営業・資金調達などを担う私が二人三脚で会社を動かしながら、PR、マーケティング、デザイン、開発などについては業務委託のメンバーにも入っていただいています。
バックグラウンドはかなり多様です。
大手のビッグテック企業で働きながら、副業として関わってくださっている方もいますし、芸術系の学校を卒業した方や、在学中から関わっている方、海外に出て独学でマーケティングを学んできた方などもいます。
必ずしも「この業界出身でなければいけない」という考え方はありません。
もちろん、そのポジションに必要な一定のスキルは必要ですが、これまでの経歴よりも、本人が何をやりたいのか、どれだけ主体的に動けるのかを重視しています。
現在はフルリモートで働いており、必要に応じてメンバー同士でコミュニケーションを取りながら仕事を進めています。
定期的に飲み会などで集まる機会もあり、集まったときはかなり和気あいあいとしています。
少人数の組織だからこそ、役職や年齢に関係なくコミュニケーションを取りやすい環境だと思います。
入社後には、どのような経験や成長機会がありますか。
一番大きいのは、新規事業を実際に作っていく経験だと思います。
私たちはまだ、事業のすべてが固まっているわけではありません。
新しいサービスをどう立ち上げるのか、どの市場に売っていくのか、どのような顧客課題を解決するのか。仮説を立てて、実際にお客様に提案し、フィードバックをもらい、また改善する。そうした一連のプロセスに関わることができます。
大企業や、すでに中核となる事業が確立している会社では、若いうちからここまで幅広く経験することはなかなか難しいと思います。
一方、私たちは少数精鋭だからこそ、経験の浅い段階から事業の中心に近いところで仕事をすることができます。
もちろん、簡単な仕事ばかりではありません。
営業では泥臭くお客様のところへ行くこともあります。
ただ、そうした経験を含めて、「まだ形になっていないものを、自分たちで形にしていく」ことができる環境だと思います。
求める人物像と候補者へのメッセージ
どのようなマインドや価値観を持った方に参画していただきたいですか。
一番大切なのは、正解のない状況を楽しめることだと思っています。
新規事業なので、最初から正解が分かっているわけではありません。
仮説を立てて、検証して、うまくいかなければまた考える。
当然、仮説が外れることもありますし、お客様から厳しいフィードバックをいただくこともあります。
そうしたときに落ち込んで終わるのではなく、「じゃあ、どうすればもっと良くなるんだろう」と面白がりながら考えられる人が合っていると思います。
また、斜に構えず、素直に改善に向き合えることも大切です。
現場で使っていただくサービスなので、自分たちが良いと思っているものと、現場が本当に必要としているものが違うこともあります。
だからこそ、何度も現場に足を運び、実際に使っていただいて、フィードバックをもらう。
それを自分たちなりに解釈して、サービスを改善し、また現場に持っていく。
このプロセスを楽しめる方には、非常に面白い環境だと思います。
新規事業の経験があるかどうかも、そこまで重視していません。
これまでやったことがないことであっても、自分で仮説を立てて動き、新しいことを面白がれる方であれば、ぜひ一緒に挑戦していただきたいと思っています。
最後に、採用候補者にメッセージをお願いします。
私たちのミッションは、「言語の壁を取り払い、人々の時間を取り戻す」ことです。
日本の現場は、すでに外国人労働者なしには成り立たない状況になっています。
そうした社会の構造的な変化に対して、その場しのぎの対応ではなく、インフラとしてきちんと応えていく。それが私たちがやろうとしていることです。
まだ会社としては大きくありません。
だからこそ、入社してすぐに事業の中心に入って、自分で考えて、動いて、結果を出していくことができます。
もちろん、華やかな仕事ばかりではありませんし、上手くいかないこともあります。
ただ、そうした一つひとつの経験が、まだ世の中にないサービスを作っていくことにつながります。
「決まった仕事をこなす」のではなく、「まだ答えのないものを、自分たちで作っていきたい」。
そんな思いを持っている方には、きっと面白い環境だと思います。
ご興味を持っていただけたら、ぜひ一度お話ししましょう。